屋上の緑化には大都市である大阪でも積極的な取り組みが見られます。大阪での屋上緑化事例で有名な「大阪ガス実験集合住宅NEXT21・屋上庭園」のケースをご紹介しましょう。
実験住宅として10年近い年月を迎える「NEXT21」は、緑のボリュームも増え、都市の中に忽然と現れるオアシスとして評判を得ています。NEXT21は、21世紀の都市型集合住宅のあり方を提案することを目的に建てられ、環境との共生、ゆとりある生活の確保、住環境の向上、環境教育・都市部の熱環境の低減、生態系の復元などをテーマに現在も居住実験が行われています。緑化した屋上庭園や、1階部分のエコロジカルガーデンなど、建物のそれぞれの階に緑地スペースを設けられているのが最大の特徴です。NEXT21では驚くことに屋上に飛んできた野鳥が1階まで降りやすいように、緑の連続性を持ったセットバックの構造になっており、観察によると、すぐに屋上に飛来した野鳥が1階のエコロジカルガーデンまで降りてくるのに2ヶ月から3ヶ月の時差があったことも確認されています。こうした観測は1階に事務所を持つ日本野鳥の会のメンバーによって行われています。日本野鳥の会によってこれまでに観測された野鳥はサギやメジロなど、22種類にものぼっています。また、鳥だけではなく、トンボや蝶などもNEXT21に集まることで知られています。屋上庭園は進化し続け、今では栽培時にはなかった自生の植物も生えています。NEXT21の住人はもちろん、周囲の人間も都市部にいながら自然の恩恵を受けることができ、大阪ガス実験集合住宅NEXT21は、屋上緑化の非常に成功した例だと言うことができます。